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推しについて語りたい

二次元オタクが三次元に沼落ちした話

※この記事では二次元オタクがいかにして三次元に沼ったか、ということを書きたいのでグループ名とか詳細は省きます。

二次元オタクだけど、三次元のボーイズグループを推すようになった。
1年くらい前に突然沼落ちした。

2021年4月、コロナの影響とか会社の都合などいろいろあって一人暮らしを辞めて姉妹と暮らすことになった。
新生活を始めてすぐ、妹が職場でお勧めされたというオーディション番組のYouTube動画をリビングで見るようになった。
それが今の推しとのファーストコンタクトだった。

最初は興味なかったけど、家に帰ると妹がデカいテレビで歌って踊る男性たちの動画を見ている(ネット接続してYouTube見られるテレビを買った)。
自然に目と耳に入るし、だんだん曲とかも覚えてきた。
今思えば典型的な受動喫煙型のハマりかただった。

しかも番組の主旨が参加者の中からデビューさせたい人を視聴者投票で選抜するというものなので、名前と顔とどのパートを歌ってるかが一致するように画面が分かりやすく作られている。
三次元の人間を覚えるのが苦手な私でも、「ああこのサビ歌ってるのは○○って名前の人なのね」くらいは認識できるようになっていた。

やがて妹は、YouTubeにアップされた動画だけでなくネット配信されていたオーディション番組の本編を見始めた。
半分ドキュメンタリーみたいな番組なので、参加者の人柄とか、どんな風に練習したか、参加者同士のやり取りといったストーリーが細かく描かれている。

これが結構面白かった。
例えるなら、「絵柄好きだな」とか「キャラソン好きだな」と思っていた作品の本編を初めて読んだ時の感覚だった。
「あの曲歌ってた子はこういうキャラだったのか」とか「あの子とあの子はこういう関係だったのか」とか、そういう発見がめっちゃ面白かった。

ここで、YouTubeで動画を見ていて「この子の声好きかも」と思っていた人がキャラ的にもタイプだったことが判明した。
本編を見てて「この子の歌好きだな、人柄も好きだし気になる……あれこの名前見たことある。あの動画で歌ってた子か!」という瞬間があったのだ。
好感を持った人が、前に見た動画で名前を憶えていた人と同一人物だった。
運命じゃんって思った。推しができた瞬間だった。

このとき、オーディションは既に完結していて、メンバーもとっくに決まってデビューもしていた。
妹が見ていたのは昔やってた番組の再放送だったのだ。
それは最初のころに妹から説明を受けていたし、誰が最終的に選ばれたのかも聞いていた。
なので、私たちは最終結果を知った状態で再放送の番組を見ていた。

ちなみに私の推しは最終メンバーには選ばれていない。
なので、この番組のどこかで彼が脱落することは最初から分かっていた。

番組が進むにつれ、「妹ちゃんが見るなら私も見よっかな」くらいの軽い気持ちで見始めたことを後悔するくらい、推しがいつか脱落するという事実が苦しくなっていった。
3回ほど順位が発表されるタイミングがあり、その時点で何位以下は問答無用で脱落、というルールだったのだが、その順位発表の回は通過してもしなくてもみんな涙して別れを惜しんでいて見るのも辛いくらいだった。

そしてとうとう、推しが脱落するときがきた。
ファイナルの一歩手前だった。もうこれ以上推しが歌って踊る姿は見られないんだと思うと妙に頭がふわふわして何も手につかなかった。
分かってたのに辛かった。これをリアルタイムで見て投票もしていた人たちはどんなメンタルで乗り切ったんだろう……とも考えた。

番組は最終回まで見て、その後ももう一回見直したりYouTubeの動画を見たりした。
何度見ても推しは素敵だったけど、もう歌って踊る推しを見られないんだと寂しい気持ちになった。
その気持ちを妹に伝えると、予想外の答えが返ってきた。

推し、別のグループの一員としてデビューしてたらしい。

勝手にここで勝ち残れなかったらもうダメだと思い込んでたので、別のグループでデビューという話にはめちゃくちゃびっくりした。
しかも同じオーディション番組に参加していたけど脱落してしまった人たちとグループを組んだらしい。
すぐに調べた。本当だった。
推しは新しい仲間と、自分たちの曲で歌って踊ってた。

こんな大どんでん返しがあるんだ、とめちゃくちゃ嬉しかったし正直びっくりした。
考えてみれば一回のオーディションに落ちただけでその後表舞台に出ないなんてことはないんだろうけど、その時は本当に「推しは脱落した、もういない」と落ち込んでいたので考えが至らなかった。

とはいえ推しがいて、そのほかのメンバーも知っている人(この頃にはオーディションに参加していた人たち全員の顔と名前が一致するようになっていた)だから即グループを推す!とはならない。
やっぱりそこは曲とか活動の方向性とか、それらを吟味しないとどっぷりオタクになるのは無理じゃないかと思った。

結論から言うと、曲も良かったしグループの雰囲気も活動内容も運営の方針もめちゃくちゃ良かった。
オタクとしてとてつもなく幸運なことに、何の不満もないどころか全てが理想的すぎた。
(私の考え方や好みと一致していたというだけで、他の人が見たらそう思わないかもしれないけど)

ちょうどその時二次元でドハマりしている作品もなく、他に趣味もなく、時間とお金と「なんかハマれるものがほしい」という欲求はたくさんあった。
その矛先が、たまたま出会った三次元に向いて、私はめでたく三次元グループのオタクとなった。

今も進行形で幸せなオタクをやらせていただいてます。
推し、どんどん歌もダンスも上手くなるしビジュアルも洗練されていく。尊すぎる。